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ちょっとまって!【ヒューリスティクス】にご用心?

こんにちは。クロブロのクロスです。

 

今回は「護身心理学コラム」から

 

ヒューリスティクスというものについて見ていきます。

 

あなたは、ヒューリスティクスを利用されて、だまされてませんか??

 

自分を守るためにも、知っておきたい、ヒューリスティクスについての基礎知識です。

 

 

ヒューリスティクス

問題解決の際、簡略化されたプロセスを経て結論を得る方法をヒューリスティックスと呼ぶ。ヒューリスティックスは、必ず正しい結論に達するわけではないが、結論に至るまでの時間を短縮することができる。ヒューリスティックスに対して、論理的プロセスを経て問題解決に至る一連の手順はアルゴリズムと呼ばれる。人の認知資源は限られているため、少ない認知資源で結論に達することができるヒューリスティックスは、日常生活を送る中での判断や意思決定において、頻繁に用いられる。しかし、人によって判断結果に一定の偏りが生じることが多い。なお、ヒューリスティックの使用によって生まれている認識上の偏りを、「認知バイアス」と呼ぶ。Wikipediaヒューリスティクスより)

 


ヒューリスティクスって??

人間は物ごとを判断する時に、直観的に判断をしたり、論理的に判断をしたりします。

 

ヒューリスティクスとは簡単に言えば、直観的な判断方法のことを言います。つまり、物ごとをパッと見で判断する方法のことです。

 

ヒューリスティクスの良いところは、いちいち考えなくても楽に答えが出せるため、思考に要する時間とエネルギーの節約ができることです。また、判断材料が少なくても、今もっている情報だけで、すぐにその場で判断ができるのです。

 

良くないところは、もっている情報に偏りがある中でも判断ができてしまうので、場あいによっては判断を大きく誤る可能性があるという点です。

 

そのため、悪意をもって、あらかじめ自分の持つ情報を操作されていれば、騙される可能性があるということです。

 

逆に、印象にたよらない論理的な判断は、判断を下すまでに時間や労力を要しますが、判断を大きく誤ることはありません

 

では「直観的な判断」は、実際には、どのようにして物ごとを判断しているのでしょうか。ヒューリスティクスには、いくつか種類があるので見ていきましょう。

 

 

利用可能ヒューリスティクス

「利用可能ヒューリスティクス」とは、自分がすでに知っている情報や、印象に残っている情報などの、自分に馴染みのある情報を、優先的に判断材料にして判断する方法です。

 

「他にもっと最適なものがあるかも知れないけど、なんとなくすでに知ってるものを選んでおけば、まあ間違いはないだろう」という判断方法です。

 

たとえば、商品の善し悪しに関わらず、CMで見たことのある商品を選んで買ってしまうのは、利用可能ヒューリスティクスによる判断です。この商品は見覚えがあるし、他の商品は未知数だし、比較するのも面倒だし、とりあえずこれを買っておけば大丈夫だろう、という判断です。

 

つまり、わかりやすく、印象的に伝えさえすれば、内容はあまり関係ないのです。

 

「難しい文章で書かれているが科学的根拠のある論文」と「読みやすい文章で書かれているがデタラメなwebニュース記事」があったとき、難しい文章は判断材料にされません。かんたんに要約してある文章があるし、それだけ見ればいいか、ということになるのです。疑似科学などは、むずかしい検証を個人個人がしないから、デタラメなことを安易に正しいと思い込み、広まっていってしまうのです。

 

情報を発信する側に悪意があれは、意図的に自分に都合のいい情報だけを、分かりやすく印象的に伝えることで、受け手の持つ情報を発信側が操作し、判断を誘導することが可能だということです。

 

買い物程度ならいいかも知れませんが、自分にとって重要だけど詳しくないことについて、なにか判断を下さなければならない時には、何となくの印象だけで判断せず、客観的にさまざまな情報源から判断材料を集め、論理的に判断する必要があります。

 


典型的ヒューリスティクス

一部分を見ただけで、全体がそれと同じである、と推測する判断方法です。

 

裏表のある人間が、表向きだけよく見せ、相手に「いい人だ」と思わせるのは、典型的ヒューリスティクスを利用している例です。

 

これも利用可能ヒューリスティクスと同じで、発信側に悪意があれば、都合のいい情報だけを切り取って伝えることで、受け手の判断を誘導することができます

 

ぱっと見の印象がいい物ごとに対しては、その印象だけですぐに判断をせず全体をよく把握してから判断をするのが賢明です。

 

 

係留と調整のヒューリスティクス

最初に与えられた印象をもとに、ものごとの判断をする方法です。

 

たとえば、ある人に対して、最初にいい印象を持っていれば、その後は、その人のどんな行動に対しても、良い解釈をしたくなります。最初に悪い印象を持っていれば、その人のどんな行動にも、悪い解釈をしたくなります。第一印象が重要と言われるのは、この「係留と調整のヒューリスティクス」という判断方法があるからです。あいてに対して最初だけ印象をよくすれば、つねに味方になってもらえるのです。

 

また、ある商品に対して、はじめからあえて高い値段を設定しておき、それを値下げした状態で見せることで「価値が高かった物が安く手に入る」と思わせるのも、「係留と調整のヒューリスティクス」を利用したものです。本当に価値が高かったのかどうかは、分からないのにも関わらずです。

 

最初の印象は、情報を与える側の意のままなので、その印象によって都合のいいように誘導することが可能です。

 

初めて会う相手が、意図的にいい印象を与えようとしている場あいは注意です。また、あいてが提示してくる情報は、その前提部分に注意したほうがいいでしょう。

 


対策

以上、これらのヒューリスティクスを意図的に悪用して、判断を誘導しようとしてくる人間には、厳重なる注意が必要です。

 

具体的には、セールスや詐欺、布教、あるいはメディアによる印象操作やプロパガンダなど、あいてが自分に何か働きかけようとしてくる場あいに注意です。

 

ヒューリスティクスを悪用するには、条件があります。

 

「熟考させず、情報を集めさせず、その場で印象をつけること」

 

「第三者の横やりが入らないこと」

 

つまり、論理的に判断させず、印象だけで判断させようとするのです。人はそこまで騙されやすくはないので、冷静になって考えれば、見破れることが多いのです。しかし「論理的な判断をさせない」という方法を取られたとき、人は判断を誤りやすくなります。

 

なんらかの交渉の際に「その場で判断を求めてくる」「一対一で密室で説得してくる」などの状況を作られた場あいは、警戒をしなければなりません。なぜなら相手は、冷静に論理的に考える暇を与えず、判断材料をあつめることを妨害し、第三者の意見を遮断して、あなたに印象だけで判断をさせようとしているからです。あいてがその手を用いて来た場あいは、まず迷わず断らなければなりませんし、その人間はもう信用ならないので遠ざける必要があるかもしれません。

 

またテレビは、用意された分かりやすい「結論」をまことしやかに伝えてきます。テレビ広告なんかは、いい印象だけを与えようとしてきますし、ニュース番組が意図的に一部の情報を報道せず印象操作をすることもあります。あまりにさりげないので、検証をしようと思わず、印象を植え付けられます。もしもテレビの情報を元に、重要なあるいは責任を伴った判断をする際には、いちど疑ってみることも大切です。

 

 

まとめ

いちいち考えなくても、楽に答えが出せるのがヒューリスティクスですが、印象だけで判断をしていると、いつか必ず痛い目を見ます。情報を集めるのは、じっさい手間がかかって面倒ですが、少なくとも、じぶんにとって大きな判断をする時や、騙されたり誘導されたりする可能性を感じた時には、印象だけで判断せず、しっかりと情報を集め、第三者に相談し、論理的に検証をする必要があります。

 

より正しい判断をするためには、

 

印象に惑わされず、時間をおいて情報を集め、論理的に考えること。間違っても、その場で答えを出さないこと。

 

情報源を複数持つこと。

 

利害関係などのない第三者の意見を聞くこと。

 

が重要です。

 

 

 

むずかしく書いてきたので、最後に、かんたんにまとめると、

 

印象に注意!ちゃんと調べて!

 

ということです;)

 

 


ご覧くださり、ありがとうございました。

なにか知っていることがあれば、コメントでご教示ください。

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